ゴガユニオンAMC

朝10時5分、ゴガユニオン議会に到着して、ユニオンチェアマンの部屋に行くと、既にユニオンAMCメンバーがほぼ全員揃って我々の到着を待っており、すぐにユニオン砒素委員会が始まりました。自分にとってはほぼ1年半ぶりのゴガで、しかも知っている顔ぶれが揃っており懐かしく思いながら会議に臨みましたが、冒頭からかなり問題の核心を突くような議論がなされ、思わず襟を正しました。
 まず、問題になったのは、既存代替水源(開パト時建設)の利用者組合とワードメンバーとの関係について。今回のプロジェクトでは住民や利用者組合の要望をワードメンバーが吸い上げて、ユニオン、郡、県へと流していく仕組みづくりを行うことが目的の一つですが、ワードメンバーにとっては開パト時に建設した代替水源は自分の責任の範囲外だったという意識が強く、これから利用者組合とどういう関係でいればいいのか、あるいは責任をどういう形で持てばいいのか見えづらい、とのことでした。あるワードメンバーからは、ワードメンバーの責任の所在を明確にするために、これから申請する代替水源の利用者組合には必ずワードメンバーを入れるべきだ、という意見も出されました。ワードメンバーが利用者組合に入る、ということは彼らが代替水源の責任を持つ、という点では重要ではありますが、反面、彼らの政治的な道具として利用されてしまうという危惧もあり、この点については特にシャシャでは議論を重ねていく必要があると感じました。これらの点については中村のほうから、これからゴガユニオンの各ワードで開かれるワード砒素委員会で、既存代替水源の利用者組合委員長も一緒に呼んで議論したらどうか、という提案をしました。
 引き続き、各ワードメンバーから、それぞれの地域の代替水源の現状について報告がなされました。開パトで建設した多くの代替水源は、おおむね雨季にはうまく動いているものの、乾季にはほとんどのPSFやDWで水枯れが起こっており、乾季真っ只中での現状報告は、聞きつづけるにはつらいものがありました。PSFは現在ほぼ全滅、DWも半分以上止まっている、とのことでした。あるメンバーからは、メンテナンスに関して開パトでトレーニングを受け、自分たちでできることはやっているが、リングが崩落したり、水が枯れてしまう、という問題には対処できない。もっと高度な技術的サポートが受けられないか、という意見が出されました。また他のメンバーからは、乾季にはPSF、DWだけでは対処できないので、DTWも掘りたい、という意見やパイプラインの供給地域をもう少し延長できないか、という意見も出ました。
 こうした意見や提案がたくさん出されたため、とりあえず意見や要望を集約して、郡の砒素委員会に上げてもらうことを提案し、またこちら側から予定しているトレーニングの内容について説明し、一時間半に及ぶ砒素委員会はお開きになりました。
 ゴガユニオンは砒素濃度が高いこともありますが、ユニオン砒素委員会のメンバーそれぞれの意識が高くやる気もあるため、こんごいい意味でのプレッシャーを郡や県へかけていけるといいなと思いました。彼らの意見をどう反映させていくかがこれからの課題です。

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プロジェクトコーディネーションミーティング

今日は、朝からBRACのトレーニングセンターの一室を借りて、プロジェクトダイレクターのショフィクル氏とJICA専門家の緒方氏をダッカから迎え、新しく雇用したスタッフに対し、彼らのほうからこのプロジェクトで仕事をするにあたっての心構えを説いてもらう場を設けました。最初にフィールドの経験が豊富なショフィクル氏ならではの機知に富んだ話をしてもらった後、スタッフから仕事を開始してから直面しているさまざまな問題について質問や意見が次々に出され、それに対し、ショフィクル氏や緒方氏が丁寧に答える、という形で議論は進み、気づいたときにはあっという間に3時間が経過していました。スタッフたちは口々にとてもいい話を聞くことができてラッキーだ、というようなことを話していました。

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その後、いったん散会し、今度は16時から、県レベルのプロジェクトコーディネーションミーティングが県庁の大会議室で開かれました。県レベルにも砒素対策委員会がありますが、それは政府側に設置されている砒素対策に関する委員会であり、今回のミーティングはプロジェクト専門家と政府側の各カウンターパートが一同に会し、このプロジェクトの進捗状況や今後の方向性を議論する場、という位置づけです。またプロジェクト内に設置されているナショナルレベルのステアリングコミッティーが、プロジェクト全体の方向性を議論し承認する場であるのに対し、今回の県レベルのプロジェクトコーディネーションミーティングは、プロジェクトを執行する関係者が各活動に関して議論や決定を行う場、という位置づけになります。

1_mar_2006_2プロジェクトコーディネーションミーティングには、ショフィクル氏と緒方氏の他に、カウンターパート側から、ワゼド知事、シビルサージョン、DPHEのエグゼクティヴ・エンジニア、アシスタント・エンジニア、シャシャ、チョウガチャの両郡長、両郡のDPHEのサブ・アシスタント・エンジニアなどが参加し、またJAMPのほうからは日本人専門家とナショナルエキスパートスタッフがそれぞれ参加し、総勢22名で会議が行われました。

会議ではまず、このミーティングの位置づけや参加者、あるいはどの程度の頻度でおこなっていくかが議論され、今回の参加者のほかにも郡病院のドクターやターゲットエリアのユニオンチェアマンなども次回からは呼ぶこと、また年に2回を目処に必要に応じて会議を開催していくことが決定されました。続いて、このプロジェクトの報告システムについて議論が行われ、プロジェクトの進捗状況を図る目安として、各ユニオン、各郡から県に対して砒素委員会における議事録を提出し、その結果をこのミーティングで議論する、ということになりました。最後に啓発、地方行政、代替水源、保健の各分野の専門家から今年度の活動報告とそれに対する活発な質疑応答が行われ、2時間以上に及んだ中身の濃い会議は無事終了しました。

今日も朝から盛りだくさんでしたが、ショフィクル氏のおかげで、山積みだった難題が少しずついい方向に向かって行きそうな、そういう予感を感じさせてくれるような一日でした。

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第1回 ジョソール県砒素対策委員会開催

 今日はこのプロジェクトが始まって以来、初の県砒素対策委員会が開催されました。JAMPからは島村、純子、ラジュ、トゥヒン、直樹の5人が参加しました。議長はワゼド知事、進行役をDPHEのアシスタント・エンジニアのジャマヌル氏が務め、我々のカウンターパートでもあるシャシャ、チョウガチャ両郡の郡長、保健局のシビルサージョンなどもメンバーとして参加し、合計25人の参加者を得て、開始時刻の一時間遅れの11時から委員会は始まりました。

16_feb_20061  最初に、知事のほうから挨拶があり、その中で、県レベルに政府からのオーダーに基づき砒素対策委員会を設置すること、JICAの支援を受けJAMPが始まったが、このプロジェクトは我々の(政府の)プロジェクトでもあり我々自らがイニシアチブを取って、砒素対策に取り組まなければならないこと、そして特にこのプロジェクトはカウンターパートが多いため、こうした県レベルでの砒素対策委員会での調整が非常に重要であることなどについて言及されました。

16_feb_20062  引き続き、JAMPの概要と県の砒素委員会の役割についてラジュが、ターゲットエリアの選定と砒素委員会に対する研修計画について直樹がプレゼンテーションを行い、シャシャ、チョウガチャで砒素対策を行うターゲットエリアとこれから各レベルの砒素対策委員会に行っていく研修計画について承認を得ました。特に選定エリアの情報の共有化と井戸の再チェックの必要性、また砒素対策委員会に対するトレーニングの重要性などについて意見が出されました。また今プロジェクトの対策地からは最終的に外れてしまったケシャプール郡の郡長も参加し、改めて対策を要請されました。

 委員会でのいろいろな議論を経て、島村、シビルサージョン、知事の順に終わりの挨拶を述べ、毎月砒素対策委員会を開いていくこと、また必要に応じて緊急招集をかけることもある旨、知事から参加者全員に伝えられ初の県砒素委員会は無事に終了しました。 開始が一時間近く遅れながら、参加者が増えずどうなることかと最初は若干はらはらしていましたが、最終的には予想以上に多数の出席者があり、また知事やシビルサージョンから、安全な水を供給していくことの重要性やそのために政府が責任を持って砒素対策に取り組んでいく必要があることなどが挨拶の中で述べられるなど、自分自身としても改めてこのプロジェクトで地方行政と共に砒素対策をおこなっていくことの重要性を再認識しました。郡砒素対策委員会、県砒素委員会の開催と来て、22日からはチョウガチャ、シャシャのユニオンレベルで毎日のように砒素委員会が開催され、いわゆる“砒素委員会マラソン”月間が始まりますが、しっかりとこのプロジェクトの内容を共有化するとともに砒素汚染対策に関わる地方政府のラインをしっかり組み立てて住民に繋いでいきたいと思っています。

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チョウガチャ砒素対策委員会が開催

今日はチョウガチャ郡で第1回目の郡砒素汚染対策委員会が開催されたので、島村、間藤、石山、中村、シャミム、トルン、ラジュ、オニタ、直樹の10人で参加しました。

29_jan20061最初に郡長のほうから挨拶とJAMP側のスタッフからの自己紹介をおこない、その後直樹が今日の会議の概要について、トルンがスライドを使ったプロジェクトの概要と砒素対策委員会の役割について、シャミムがこの地域から雇用する予定のフィールドワーカーについて、それぞれ説明を行い、それについて活発な討論が行われました。特に砒素汚染の激しい地域の情報や、もう少しプロジェクトについて砒素対策委員会以外の活動の詳細を知りたい、という意見やスライドはできれば英語ではなくベンガル語で作ってほしいという提案などが出ました。最後に郡長のほうから、各ユニオンチェアマンに対し、15日以内に各ユニオン及び、その下のワードで砒素対策委員会を立ち上げるように、という話があり、40分ほどの会議は無事に終わりました。会議終了後、郡長のほうから参加者全員に対して昼食が振舞われ、JAMPスタッフも美味しい昼食に舌鼓を打ちました。

こちらに着任してから約1ヶ月。日本サイドの正月休みと、バングラサイドのイード休暇が間に挟まれていたこと、あるいは自分自身の風邪と気管支炎などによる体調不良で、地方行政レベルで思うように活動できずつらい日々が続いていましたが、25日のシャシャ郡砒素汚染対策委員会、26日のロウンチングセレモニー、そして今日のチョウガチャでの砒素汚染対策会議を終え、ようやく郡以下の活動の足がかりが出来たような気がしています。

29_jan20062特にこのチョウガチャ郡の郡長は大変協力的でプロジェクトに関心を持ってくれていますので、自分自身が4年前に砒素対策とかかわりを持ち始めた同じチョウ ガチャ郡内にあるマルア村のような砒素汚染の激しい地域での対策と、こうした行政レベルの活動をうまくリンクさせて、砒素中毒に苦しむ人たちの 役に立てればと思っています。

(写真右:チョウガチャUNOと打合せする直樹専門家)

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